アデノウィルス感染症の3つの特徴!その原因と感染経路
アデノウィルスとは
二重鎖直鎖状DNAウィルスといい、ラノウィルスとともに「風邪症候群を引き起こすウィルス」のひとつです。
アデノウィルスは、A-Fの6つのグループ(亜型)に分類され、現在(人に感染する)51種類の血清型に分けられています。ウィルスには番号がつけられており、番号によってどのような疾患がおきるのか、ある程度予測できますが、このように大変種類が多いため免疫がつきにくく、何度も感染症にかかります。
乳幼児、小児だけではなく、当然、大人も感染します。
アデノウィルス感染症の3つの特徴的な症状
・咽頭炎(腫れ、痛み)
・結膜炎(充血、目ヤニ)
・高熱(38-40度)
この3つの症状を、同時にもしくはどれかひとつ、症状が発症する疾患が、アデノウィルス感染症です。
潜伏期間(症状がでる前): 5-7日
発症期間: 3-5日
回復(二次感染)期間: 発症から2週間
感染経路
飛沫感染、接触感染、糞口感染
アデノウィルスによる代表的な疾患
・肺炎: 3・7・21型ウィルス 特に7型ウィルスは重症化
・咽頭結膜熱(プール熱): 3・4型ウィルス アデノウィルス感染症の代表的な疾患です
・流行性角結膜炎(はやり目): 8型ウィルス
・出血性膀胱炎: 11型ウィルス
・急性濾胞性結膜炎: 1・2・3・4・6・7型ウィルス
・胃腸炎: 31・40・41型ウィルス
治療法
ウィルスなので、特効薬はありません。また、ワクチンもありません。
したがって、症状に合った対症療法になります。
治療の目安は2週間ですので、症状が治まるまでは、感染拡大防止、そして二次感染予防のために、家庭内、保育施設、学校での対策も大切になります。
このように、高熱、喉の炎症、目の炎症、すべてを同時にあるいは単体であっても、風邪に似たような症状がでた場合は、アデノウィルスが原因の感染症の可能性が高いので、迷わず、かかりつけの医師を受診してください。感染症ですので、診断が確定した場合は、感染する前に拡大を防ぐことができます。
感染予防
・石鹸でしっかり手を洗いましょう。
・アルコールやエタノールによる消毒も効果的です。
・衣類・ベッドシーツなど、できれば85度以上のお湯で10分以上殺菌すると消毒になります。
・感染者が触った箇所(ドア、おもちゃ、などすべて)をエタノールなどで消毒しましょう。
・おむつ交換の際には細心の注意を払ってください。
もう、お気づきかと思いますが、アデノウィルス感染は、圧倒的に咽頭結膜熱(プール熱)による感染によって拡大することが多いといわれています。
疾患の多くは乳幼児・小児に出ますが、当然大人も感染し尚且つアデノウィルス感染を放っておくと重症化します。高熱や喉の痛みは、「風邪の症状」とひと括りにされてしまいますが、インフルエンザ同様に感染拡大が懸念されますので、すぐに医師を受診をしてください。
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